胃部X線(バリウム)検査を受ける方へ


 この検査の第一の目的は、胃がんを早期に発見をすることです。 また、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃ポリープ・胃炎なども発見されます。 撮影法は、X線吸収の多いバリウム(造影剤)とX線吸収の少ない炭酸ガス(発泡剤)を利用して小さな病変を写し出す方法です。


受診の際の留意事項

検査前日まで

検診日の2日位前からは、アルコール類を控えて下さい。
検診前日の夕食は、消化の悪い物は避けて下さい。また、午後10時までに食事を済ませ、それ以降は飲食をしないで下さい。 当日、撮影の際、胃に食物が残っていると検診を中止することになりますので注意して下さい。


検査当日

検診当日は絶食でお願いします。たばこ・ガムも厳禁です。 胃の壁を刺激して、胃液がたくさんでてしまい、胃の壁にバリウムがつきにくくなり、精密検査が必要という結果になることもありますので 検査が終了するまでは、食べたり飲んだり吸ったりしないで下さい。
胸の周り・おなかの周りにボタン・カギホック・ファスナー等が付いていれば検診衣(ガウン)にあらかじめ着替えて準備をお願いします。


検査の手順

@ 問診を行います。
A 発泡剤(顆粒)を口の奥の方に入れ少量の水と一緒に飲み込みます。 おなかが張りゲップがでそうになりますが、唾を飲み込む要領で検査が終わるまでゲップを出さないで下さい。
B バリウムをひとくち口に含み、指示により空気と一緒に飲みます。 (食道二重造影像を撮影する場合のみ)
C バリウムを全て飲みます。こぼさない様に飲んで下さい。 こぼして服に付くと検診衣(ガウン)を着替えていただきます。
D 撮影を行います。 台が倒れ、体を仰向けやうつぶせ、左右に回転させるなどの指示が出され様々な角度から撮影を行います。 胃の動きを止めるため「息を止めてください。」という指示があります。 胃が動いているとボケた写真になってしまいますので、しっかりと息を止め、おなかを動かさないようにお願いします。

◇人間ドック撮影時間 …… 約 7 分
◇住民検診撮影時間 …… 約 3 分


バリウム(造影剤)・発泡剤(炭酸)はなぜ必要か?

胃は、透明なしぼんだ風船のような物ですから胃の内壁にバリウムを塗り付ける必要があります。 また、発泡剤は、胃を膨らます薬です。胃を膨らますことによって1mm単位の病変を発見することが可能になります。 膨らんでない胃袋では胃の中を観察することができません。 バリウムはX線を多く吸収し、発泡剤はX線の吸収が少なく、胃内壁の濃淡画像を作り撮影する方法のため必要です。


検診終了後の注意

検診終了後多めに水(コップ2杯位)を飲み、30分ぐらい時間をおいてから緩下剤を服用して下さい。
検診終了後24時間経過しても、バリウム便(白い便)が全く出なく腹痛を伴うようであればすみやかに医療機関にご相談下さい。 また、検診の次の日から2日を過ぎても排便をみない場合は、腹痛を伴わなくても医療機関を受診して下さい。
バリウムは体内に吸収されることなく、胃から小腸、大腸へ進み最終的に肛門から身体の外に排泄されます。 そのため、水分をたくさんとって早く白い便を出すようにして下さい。 そうしないと、腸の中で固まって、出にくくなり最悪の場合、セメントのように固まる場合もありますので注意して下さい。

(文章作成 幡多健診センター 宗崎一幸)