細胞検査士って何?


みなさん、細胞検査士という職業をご存知でしょうか? 「よく解らないなあ?」と思われた方が多いのではないでしょうか?
私たち「細胞検査士」の仕事について説明をしたいと思います。


 2005年10月現在、日本には5877人の細胞検査士がいます。 細胞検査士のことを英語ではCytotechnologist(CT)と言い、日本だけではなく世界中の多くの国で、毎日顕微鏡で細胞を一生懸命見ています。
 では、何のために細胞を一生懸命見ているのか説明します。 みなさんは「がん」という病気は知っておられると思いますが、生物を分解したときの最小単位です。
 人間の体は約60兆個の細胞からできていて、この細胞が秩序正しく決められた仕事をしているので健康に生きていけるわけです。 でも、60兆個もある細胞の中には、秩序を保たず自由勝手に増え続けて、そのために生きていくことを邪魔する細胞ができることがあります。 これが「がん細胞」です。正常な細胞の中から、「がん細胞」を探し出すのが、我々細胞検査士(CT)の仕事です。
 次に「がん細胞」は顕微鏡で見ただけでわかるのか?ということの説明をします。「がん細胞」のことを悪性細胞とも言います。 正常な細胞のほかに炎症、感染、傷口の修復などに伴い変化した細胞のことを良性細胞と言います。

【子宮頚部擦過細胞診】―良性細胞(炎症性細胞変化)―

萎縮性腟炎

トリコモナス腟炎

真菌性腟炎

ヘルペス感染細胞


 細胞をスライドガラスに塗りつけて、色々な方法で染めるとこれらの細胞を見分けることができます。 このようにして、良性細胞の中から少数の悪性細胞を見つけ出す検査のことを細胞診(細胞検査)と言います。そして細胞診をする検査技師のことを細胞検査士といいます。 細胞検査士が見つけだした「がん細胞」や「あやしい細胞」の最終判定(診断)を下すのは細胞診指導医です。
 最後に細胞診の特徴について説明します。体にほとんど傷をつけることなく検査ができることです。 だから、同じ人が何度も繰り返して検査できるし、体に傷痕も残りません。 
 また、子宮癌発見のための婦人科検診や喀痰による肺癌検診のように沢山の人の検査が可能です。 直接、体の一部を擦って細胞を取ったり (子宮癌など)、体からの排泄されるものの中の細胞を集めたり(痰:肺癌、尿:膀胱癌など)、「しこり」に直接注射針を刺し込んで細胞を吸い取って(乳癌、甲状腺癌など)検査します。
 がん細胞にはいろいろな特徴があり、一目で悪性細胞(がん細胞)と一般の方でも直ぐわかるような特徴がある細胞から、良性細胞と区別の難しい悪性細胞、悪性細胞と区別が難しい良性細胞などがあります。 一目みて悪い奴だとわかる人もいれば、一見善人そうでも実は悪い人だったり、一見悪そうな人でも付き合ってみると本当はいい人だったということがありますが、細胞も同じようなことが言えます。

【子宮頚部擦過細胞診】―境界病変と悪性細胞―

軽度異形成(コイロサイトーシス)

高度異形成

上皮内癌

微小浸潤癌
検査部 川村紀夫